母指多指症の分類

ワッセル分類と呼ばれる分類が広く用いられています。母指が分かれる高さで分類する方法です。日本手外科学会でもワッセル分類を踏襲した分類法を提唱しています。

母指多指症のレベル別分類

新しい分類

近年はより細かに分類する方法も提唱されています。例えばRotterdam分類は分かれる高さ・形態的特徴・その特徴が橈尺側どちらか、の順で記載する方法です。
①まず分岐レベルで末節からⅠ~Ⅶに分ける。
②次に形態的特徴を示す以下のアルファベットをつける。Triplication (T), Triphalangism (Tph), Hypoplastic or floating (H), Deviation (D), Symphalangism (S)
③形態的特徴のアルファベットにr(橈側)かu(尺側:小指側)をつける。

母指多指症 レベルⅣ deviation

例えば図のようにレベルⅣで、橈側母指と尺側母指の両方が彎曲している場合、Type Ⅳ D u/r と記載します。このような場合には、それぞれの母指に母指球筋(赤)が分かれて停止、または一部オーバーラップして停止します。長母指屈筋腱(緑)も2つに分かれて停止します。