治療の流れ

①初診のご予約
お生まれになった産科や、かかりつけの小児科からの紹介状をもって、受診予約をして下さい。地域連携室にてご予約をお取りできます。必ずしも出生後すぐに受診される必要はありません。初診ではX線は撮りません。外観からタイプを想定し、およその治療の流れをご説明致します。

 

②2回目の診察

X線は生後7か月ごろにお撮りします。ここで手術の日程を調整します。ただし三指節などタイプや心臓の治療などが御有りの場合には、手術を遅らせることがあります。


③手術前1か月~2か月
術前検査を行い、小児科医師の診察を受けます。入院の申し込みを行います。入院中は離乳の進みに合わせて食事をご用意します。アレルギーについてもこの時にお申し出ください。

 

手の多指症や合指症では術後に肩下から手までをギプスで固定します。足の多趾症や合趾症ではふとももから足までをギプスで固定します。そのため退院後に着るお洋服についてご説明いたします。またベビーカーの工夫についてもご説明いたします。


④入院から手術、退院まで
通常は手術前日に入院となります。ただし手術日が月曜日の場合は金曜日の入院となります。

 

手術は全身麻酔と局所麻酔の併用で行われます。手術時間は平均2時間、複雑な手術でも3時間程度で終了します。非常に細い糸で繊細に縫合するために時間がかかります。

 

術後はギプス固定となります。ギプスは重いのでストッキネットという筒状の布で三角巾のように吊り下げます。これはギプスが誤って抜けるのを予防するためにも重要です。

 

入院期間は最短2泊3日で可能ですが、お子様の安全性の確保のため、またごギプスをカバーしてシャワーする方法や指の観察方法を指導させて頂くためにも、3泊4日または4泊5日のご入院をお願いしております。


⑤退院後
術後3週ごろにギプスを抜去し、抜糸を行います。骨切りや二分併合法を選択した場合は合計4週間から5週間ギプス固定を行います。

 

母指多指症では母指を外転位(開いた状態)に保つためにさらに3週間の包帯固定をします。包帯は3Mのコーバンを使用します。

 

合指症では水かきをきれいにするためにスポンジによる圧迫を最低3か月間行います。

 

⑥経過観察

こどもの手の疾患は成長に従って状態が変化しますので、1年ごとの経過観察をさせていただいております。できましたら、体の成長が止まるまでの経過観察が望ましいです。