骨格の問題と皮膚の問題に分けてご説明します。まず骨格の問題からですが、
足指の多指症や合指症で歩行障害を生じるほどの後遺症が生じることはありません。ただし、軸前性多趾症では第1趾(母趾)の内転、軸後性多趾症では第5趾(小趾)の外転変形が生じると、靴を履く際にそれらの趾が当たるようになるため、フィッティングに問題が生じます。
足指の欠損症や短縮症では、指のない(短い)空間に向かって隣の指が倒れるようになります。これは単純に横に倒れるだけではなく、将来的には前足部全体の変形となることがあり、成人になると胼胝や鶏眼(たこ・うおのめ)や潰瘍の原因となります。少し短い程度では前足部の変形には至りません。
逆に、いずれかの指が他と比べて長い場合、その長い指は隣の指と長さを合わせるかのように変形していきます。ハンマートーと呼ばれる、ゆびさきが曲がるような変形となります。ハンマート―ではPIP関節(第2関節)背側と尖端底側に胼胝をつくりやすくなります。
ゆびが欠損している場合には、隣接する趾の変形を予防するための装具を作成することがあります。成長に合わせて簡単に修正できるように、シリコンで作成します。趾の変形に対しては、隣の趾との長さのバランスを考慮して変形矯正を行います。
次に皮膚の問題についてご説明します。
合趾症では水かきの瘢痕の引きつり(瘢痕拘縮)が生じることがあり、水かきが上がったり(指先の方向に移動する)、分けたはずの趾間がまた癒合してしまうことがあります。軽度の瘢痕拘縮に対してはZ形成術と呼ばれる皮膚の形成手術で対応できますが、重度の瘢痕拘縮に対してはもう一度植皮術が必要となります。
また、植皮のカラーマッチや質感のマッチで問題が生じることがあります。アジア系の人種では腹部から植皮が行われた場合には植皮が茶褐色調となり、趾の色と適合しないことが知られています。
趾軸の変形では、関節の屈曲そのものを修正することは難しく、関節の位置はそのままとして、骨を回転させて真っすぐにする治療が行われます。ゆびの長さの調整も行います。
第2・第3趾間の合趾症後に生じた変形に対する矯正手術です。別の病院では関節固定の説明がされ、当科でも関節固定や切除関節形成術とよばれる選択肢についても説明しましたが、ご家族は関節の温存をご希望されました。そのため、矯正骨切り術を行い、全ての関節を温存しました。骨の短縮やねじれの矯正も同時に行っております。この患者さんについても、第1趾間(△印)が広いため、第2趾はその空間に向かって倒れる傾向があります。その矯正はできていないため、抜釘後に少し後戻りが認められます。テーピングやシリコンの装具を作成して、根気よく維持をしていきます。